BUZZ RICKSON’S "PEA-COAT, LONG MODEL WOOL LINING NAVAL CLOTHING FACTORY"
1910年代に採用されたピー・コートには
腰丈のタイプと膝上丈のロング着丈のもとが存在しました。
双方ともに高密度の分厚いメルトンウールと、アメリカの国章を表す13個の星が彫刻されたアンカーボタンが付いていますが、比較検証してみると、ディテールに差異が見られます。
腰丈のピーコートに付くポケットは左右のハンドウォーマーポケットが付き、ライニング(裏地)はレーヨンコットン製ですが、こちらのロング丈の方にはハンドウォーマーポケット(コーデュロイ)と、その下部にフラップ付きのポケットが追加、ライニングはウールが張られた仕様となっています。
どちらも1910年代というだけで詳しい採用年は判然としないが、ロング着丈の方が防寒製の高いモデルであったことに違いはないと思われます。
90%WOOL 10%NYLON, MADE IN JAPAN
38(M) 肩幅46.0cm 身幅53.0cm 着丈86.0cm 袖丈61.0cm
40(L) 肩幅47.0cm 身幅55.0cm 着丈88.0cm 袖丈63.0cm
BUZZ RICKSON'S
数々の傑作衣料の中でも、さらにその最高レベルに位置するのが"FLIGHT JACKET"であることに異論はないでしょう。飛行士の命を守るため、国の威信をかけ、莫大な開発費用と計り知れない数々の実験、そして膨大な労働力をもって究極のユニフォームは開発されました。時代の最先端素材と縫製技術、細部に至る知恵と工夫。飛行士達を夢中にした見栄えの良さ。このような"FLYING CLOTHING"の先進性と合理性は、現在においても民間衣料に多大な影響を与えています。
時は1993年、"FLIGHT JACKET"の歴史と誇りを追求する最強のブランドが誕生しました。"BUZZ RICKSON'S"。その復刻作業は、スペック、素材、フォルム、パーツに至るまで徹底的にこだわり、一着一着にクラフトマンシップを込め、本物だけが持つ魅力に肉迫します。映画「戦う翼」の劇中でスティーブ・マックィーンが演じる役名に由来する“BUZZ RICKSON'S”は1993年、大空に向けて飛び立ちました。
徹底的な素材分析がBUZZのブランドポリシー
BUZZ RICKSON'Sはフライトジャケットの真のレプリカを作ることを目指しています。そのため、現存するヴィンテージを徹底的に分析・研究しているのです。中でも素材、特に織布系素材の復元には力を入れています。まず当時の素材を、繊維構造や紡織方法に至るまで時間をかけて解明することから始めています。例えばナイロンであれば、赤外線を当てたときの変化を見る「赤外線分光分析」や、どのくらいの温度で溶けるかを見る「融点測定」などを行うことで、それが、何種類も存在するナイロンのうちのどれに当たるかを特定するわけです。こうして素材を特定できても、特に特殊な素材の場合、すでに生産されておらず、手に入らないことがわかり、そこで、その素材を自分たちで作ろうと試みたのです。ところが今度は、現在使われている紡織機では構造上作れないことが判明しました。そのため、古い紡織機を探し出し、壊れていたり調子が悪かったりする部分を分解・修理して、ようやく、思うような素材を織れるまでになったのです。