Workers K&T H MFG Co "Officer Trousers, Slim Type1, 7.3 oz Compact Chino"
おなじみ、古今様々なチノパンを混ぜて作ったWorkers Officer Trousers。 19SS では久しぶりにType1、脇割バージョン。シルエットは定番のSlim(裾幅18 センチ近辺)とStandard(裾幅21.5 センチ近辺)の2パターン。
Slimと言ってもWORKERSのSlimはあくまで「動きやすさは確保しつつ、くるぶしから下を細くしてすっきり見せる」型紙です。膝で絞ってしまうと、その下にあるふくらはぎがパツパツになってしまうので、膝からふくらはぎは太さをキープして、最後のくるぶしから下は絞り切っています。
素材は定番の10 オンスベージュチノに加え、春・夏はもう少し生地厚が薄いのが欲しいなと探したのですが・・・一つ に選べませんでした。7.3 オンス・コンパクトチノはいわゆる、「10 オンスより薄いチノ」。
製品はOW済みです。
2019年春夏のOfficer Trousersは脇割バージョン。脇にType2(巻縫い)でおなじみのダブルステッチがありません。より「スラックス」っぽい仕様。
それ以外はおなじみの「細いループ」「ボタンフライ」「身頃から帯まで続いている身頃帯」
細いループを腰帯に流し込む。現代の「オートベルターミシン(ペダルを踏むとループを指定の長さにカットして、折って、カンドメで止める)」が生まれる前の典型的な仕様。どこの工場さんに頼んでも最初は「今更これやるの?」と言われますが、やってもらいます。効率だけではない、昔の仕様をどうしても再現したい部分なのです。「こだわり」という言葉はあまり好きではないのですが、「細いループが帯に流し込まれている」のはどうしても私はチノパンで譲れない部分なのです。ただ、針幅が細い分、厚みのあるデニムには向かないループ。そのため、岡山・広島の縫製工場さんはあまり持ってません。WORKERSでは、脇が巻き、割りと仕様が違うごとにチノパンをお願いする工場が複数あるのですが、そのすべてにこの細いループを縫えるミシンを買って預けるか、もともと持たれていたミシンで改造してよい物を改造させてもらっています。
フロントはクラシックなボタンフライ。
ボタンホールの間に比翼止めステッチが入る、クラシックなトラウザーズの仕様。
一方で、小股(開きどまりのカンヌキから下)はあえてジーンズのようにダブルステッチを入れています。強度&安定してこの仕様であれば様々な工場で作れるからです。
もっと「トラウザーズらしい」縫い方もあるのですが(棒シック+小股地縫いに乗せ)、それをやると「この工場でしか縫えない」となりがちです。それでは、安定して製品を作ることは出来ないことを、最近の水害やら天災で身にしみて感じました。
「どの工場でも作りやすい、機能的で、でも現代の効率一辺倒とは違う」そんな仕様を追及しています。ビンテージと呼ばれる古い服をたくさん見るのも、単純に「どれをコピーしようか」というのではなく、その中から「これは!」という仕様を見つけ出したい。それらをまとめ上げて「WORKERSのチノパン」を作りたい。それが、Workers Officer Trousersの「コンセプト」です。(気恥ずかしいですが)
SlimとStandard、仕様の違いは背面。Slimは片玉縁+フラップにしています。フラップで物が落ちない、玉縁の口が開かない。それ以上に装飾的な意味合いも強い部分。
斜めに入れたダーツ。まっすぐタテに入れるよりも距離が稼げるので、多めの分量をダーツで取っても丸みが急激につかない。(ただ、タテで多く取りたいならダーツを二本にする案もあるので、必ずこの斜めダーツが良いというものではありません)
ウェストに対してヒップが食い込んでいない。これがダーツの良さ。ジーンズなどはこのダーツが無いので、どうしても横方向がタイトフィッティングになります。それをまた上やワタリ使って空間を作るのですが、ダーツ(フロントのプリーツもですが)を使えば、また上・ワタリをそこまで出さなくてもヒップ部分の横方向に生地が出せることになります。
後ろ中心には、Army Officer Trousersを模した、WORKERS OFFICER TROUSERSネーム。
脇・内またはロックをかけた生地を地縫いし割っています。脇が巻縫いバージョンよりも裾を折った時にごろつかない、脇が固くないのが特徴。
脇にステッチが見えないので、よりすっきりと、トラウザーズらしく見えます。
素材 7.3オンス・コットン100%・コンパクトチノ
附属:尿素ボタン
縫製:主要部綿糸/一部強度の必要な部分はスパン糸
MADE IN JAPAN
30 ウエスト77.0cm 股上(前27.0cm, 後38.6cm) レングス78.0cm ワタリ幅30.0cm スソ幅17.5cm
32 ウエスト82.0cm 股上(前27.5cm, 後39.0cm) レングス78.0cm ワタリ幅31.0cm スソ幅18.0cm
34 ウエスト87.0cm 股上(前28.1cm, 後39.7cm) レングス78.0cm ワタリ幅32.5cm スソ幅18.5cm
サイズ表
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。