Workers K&T H MFG Co "Narrow Round Collar Shirt, White Supima Oxford"
商売だけを考えれば、ボタンダウン以外作らなくてもよい。それぐらいボタンダウンという襟型はポピュラーなのです。でも、それでは面白くない。私自身が。毎日ボタンダウンじゃなくて、たまにはちょっと違う襟型も着たい。それも、WORKERS のModified Fit で素材もごく普通なオックスやブロード。
そこで作ったのがNarrow Round Collar。襟先が短いショートポイントの襟の、角だけ丸く落としたもの。同じRound Collar でも3 月納品のPinhole よりカジュアル。
ニットタイや、今期作った薄手のSilk Repp Tie でノットを小さくするとよく似合う。ネクタイをしないでも、小ぶりな襟は収まりが良く、カジュアルだけど品が良い。
スーピマコットン100%。5.5Oz、ミディアムウェイトオックスフォードで作ったボタンダウンシャツ。
綿の超長綿というと、スーピマの他にも海島綿・ギザ等ありますが、アメリカ原産のスーピマコットンはどこかラフさが残っているのが特徴。生地屋さん・紡績(糸屋)さんいわく、同じ超長綿でもスーピマはフシがあり、力強い。超高級素材・・というよりは、クオリティと価格のバランスが良い。
また、このオックスを織る糸はタテ40番×ヨコ10番。特にヨコは太めの糸を打っているので強度があります。その分、表情はカジュアル。ドレスウェア的なブロードとは違います。
ModifiedFitはこの10年程のシルエットの流れを数値化して研究、導き出しました。2000年代、タイトフィッティングから始まり2018年、最近は少しルーズなフィットが流れ。これら、時代に求められるシルエットに加え、本来の「シャツとしての機能性」「日本人の体形に合う寸法」を考えて各部の寸法・曲線を型紙に落とし込みます。身頃、フィット感はあるけれどもピタピタでは無い。肩幅も落ちすぎず、入りすぎず。着丈は裾を出しても・入れても着られる72-3センチ程を中心に。袖ぐりのカマ(縦方向の寸法)自体はある程度寸法があり、窮屈さは無い。でも肘から先をわずかに細くしてすっきりと。その分、袖がまくりづらくなるので、袖口の開きは深めにとる・・・といったように、論理的に考えて型紙をひいています。デザイン的なシャツでは無く、設計的なシャツとでもいうのでしょうか。型紙を自分でひくからこそ、こういう作り方の品番もあるのです。
製品はOW済です。
ボタンダウンシャツの顔といえば襟。Modified BDの羽襟は通称「フルロール」。8.5センチほどの現代からすると大きな襟。
ボタンを締めた状態ではペタッと平らに、ボタンを緩めると美しいロールが見えます。
アメリカ的シャツというと、ポケットは外せません。ドレスシャツだとポケットが省かれる事がありますが、ボタンダウンシャツはどこか「道具」とか「スポーツウェア」なイメージがドレスシャツの中でもあります。素材がタフなオックスフォードだったり、襟がはためかないようボタンで留められたり。このポケットもそうで、BDにはやはり残したいものです。
肩は縫い目無し。背中側のヨークも縫い目無しで、だれが呼んだか「コンストラクションヨーク」とか「アメリカでこのメーカーだけ」とか言われますが、そんなことはなくて「ステッチ無しのヨーク」と言えば、昔から日本でもメジャーな仕様です。
ステッチが表から見えないほどドレスシャツらしいイメージになります。そういう意味で、ステッチ無しにしています。
ボタンはプラスチック。昔は貝を使ったこともあるのですが、某アメリカンシャツメーカーの現社長が雑誌で「耐衝撃プラスチックボタンを1960年代以降は・・・」といったインタビューがあり、それ以来、この年代のシャツを目標に作るときはプラスチックボタンを使っています。一見、貝のようなぎらっとした、少し小さ目のボタン。
これもアメリカ的ドレスシャツでははずせない、チェーンステッチ(環縫い)多本針による前立て始末。
本来、生産性を高めるためチェーンステッチや、金具を使うという設計思想なのですが、これが、結果として独特なしわ(パッカリング)を生み、ドレスよりのシャツでもカジュアルさが残る。我々が、アメリカ製のシャツを見て「良いなぁ」と感じたのはこんな部分からきていると思います。
袖口の開きは少し長め。袖をまくりやすい。
バック中心にたっぷりタックが入る。これで体が動いた時には、生地が十分あって吊らない。いわゆる「アクションプリーツ」と同じような機能。
ミリタリーのM-41やG-1だと左右にあるものが真ん中に1本である感覚。
素材 5.5オンス・スーピマコットン100%・オックスフォード
附属 樹脂ボタン
縫製 綿糸
ワンウォッシュ製品 MADE IN JAPAN
サイズ14.5 肩幅44.0cm 身幅52.0cm 着丈72.0cm 袖丈61.0cm
サイズ15.5 肩幅45.0cm 身幅55.0cm 着丈73.0cm 袖丈62.0cm
サイズ16.5 肩幅46.0cm 身幅59.0cm 着丈74.0cm 袖丈63.0cm
サイズ表
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。