Workers K&T H MFG Co "Band Collar Shirt, Black Chambray"
ビンテージのおそらく、イギリスミリタリー物と思われるバンドカラーシャツから着想を得て作りました。
再現したポイントはシルエット。着丈をビンテージそのままの長さに。その分、フロントから脇に向かう切れ上がりの線 が深くなっています。 本来、パンツ(ズボン)の中にシャツの裾を入れる。長い方がたくしあがらない。だから、着丈が長いのですが、今では丈の長いシャツをあえて裾出しで着るのがファッション的でもあります。
シャンブレーはいずれも5オンスクラス。ブラックは経糸にトップ杢。ワタの状態で色を付けて混ぜてから糸にする杢糸。コットンよりウールで糸にする前に毛の状態で染めることが多いので、綿の生地でもトップ杢を使っていると「ウールっぽい色調だな」と感じます。でもコットン100%です。
ベーシックなコーディネートは、パンツの裾に入れて着るごく普通の組み合わせ。ひねりは、ゆったりしたパンツやショー トパンツにシャツの裾だしで、ゆったりリラックスした雰囲気。
バンドカラーというと、単純に羽襟ありのシャツの台襟だけと思われるかもしれませんが、そうではありません。やはりバンドカラーはバンドカラーなりに、型紙をひいています。
具体的には、低めの襟腰。前中心に向かって徐々に低くなる。カラー自体は、首にある程度沿うように襟の身頃付け側を曲線に・・・という形です。
肩はステッチありのヨーク、袖ぐりは3/16インチの細い巻縫い。タテ糸にトップ杢、ワタの段階で色を混ぜて杢調を作った糸で織ったシャンブレー。コットンなのに、どこかウールのようなトーンが特徴。
WORKERSでは、このBand Collarで初めて、ここまで着丈の長いシャツを作りました。なぜか?それはこの脇の切りあがりのライン。これを出したいが為、初めて丈の長い型紙を引きました。
クラシックなシャツらしさがあふれるライン。本来は、裾を入れて着て、シャツの裾がたくりあがらないという機能性を実現するための型紙であり、ライン。それを、現代のわれわれは「独特にクラシックよな」とまた別の感覚で捕らえるのです。
フロントは前立てが途中で終わり、裾に向かって左右がオーバーラップ(重なる)仕様。
一説には、これが下着の代わり?とも言われますが、じゃあ昔の人は下着のパンツはかなかったのか???という疑問も。
来歴はどうあれ、クラシックなシャツではおなじみの仕様。
前立てはチェーンではなくシングルステッチで。アイロンを使って前立てを折り、地縫いして、その上でまた平ミシンで押さえる。いわゆる「手付け」というやつで、手作業が多い分、工場のうまい・下手が如実に出る部分です。
こういう仕様、たとえば現代のKMKRシャツとかだったらまずやらないでしょう。手間がかかり難しい、そもそも、ビジネスシャツにこういうディテールは求められていない。
ビジネスシャツを見ると「良くぞ、この綺麗な作りでこの価格」とは思いますが、あちらはあちらで、生地や仕様、パターンを限定した上でああいうことが実現できているのです。WORKERSはそれとはまた違う、自由なシャツを作りたいと常々考えています。今回のバンドカラーはそういう意味で、かなり自由に作りました。今までの私だったら、もう少し制約の中というか、文法を守ったシャツを作ってきたのですが。
袖口はタック入り。参考にしたオリジナルはフレンチカフでしたが、そこは使い勝手を考えて、通常のカフスに変更しています。
人が着ると脇の切り上がるラインがさらに良くわかります。裾を出してきて、この切り上がりから脇ポケットに手を入れるのが様になります。
脇はマチ始末。
バックは左右にタック、ヨークは真ん中で割れるいわゆる「スプリットヨーク」。
俗に「スプリットヨークが高級品だ」などということもありますが、単純に、スプリットにするとパーツが小さくなる。今以上に、幅が狭い生地しかなかった時代にはパーツを分割して必要生地を減らす必要があった、こちらのほうがメインの理由ではないかと私は思います。
現代では割る必要もないのですが、単純に「ちょっとクラシックに見えていいよね」ということで、このシャツにはスプリットヨークを取り入れました。
ワンウォッシュ製品, MADE IN JAPAN
素材 5オンス・コットン100%・シャンブレー
附属 淡水貝ボタン
縫製 綿糸
サイズ
14.5 肩幅44.5cm 身幅53.0cm 着丈80.0cm 袖丈61.0cm
15.5 肩幅45.0cm 身幅56.0cm 着丈81.0cm 袖丈62.0cm
サイズ表
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。