Workers "Running Cat T, Ecru"
新型Tシャツ。コストは一度無視。本当に作りたいTシャツが何か？と考えると・・・
「1枚で着て様になるがっしりした厚み、体系が響くとか気にする必要まったく無し」
「2PLY とは逆、生地の斜行がある。いわゆるアメカジ的なラフ・タフな生地・作り」
「首回りをとにかく頑丈に。頭を通す時は伸びて、首元で戻る。着こんでも簡単に伸びない、2階式バインダー」
と、ただただ自分が作りたい仕様を形にしました。
生地は10 オンス。糸の太さが10番。ジーンズに使うデニムが7番なのでTシャツに使う糸としてはかなり太い。
昔、 糸をつむぐときムラが「出ちゃった」を再現した糸。なので編み上げた後の生地表面に独特な表情が出ています。単糸、 1本の糸で編んでいるので斜行があります。着こんでいくと斜めに若干よれる。ここが2PLY のすっとまっすぐ落ちるのとは違う、カジュアルなT シャツの風合い。
生地がごつい分、1シーズンで終わりというのようなTシャツではない。着脱ぎを繰り返すので、首がとにかく しっかりしていないといけない。
そこで、バインダー。首回りの身頃を、別のフライス（リブ）でパイピング状に巻く始末。さらに、そのバインダーを2階式、ステッチが落ちるところで生地が2重・2階建てになっている。
生地を折り込んでいく金具を別注で作らないと出来ない。工場さんから「金具代出してくれる？」と言われましたがもちろんOK。自分でただ、作りたいように作ったTシャツです。高くてすいません。
製品はNW、洗い無し。乾燥機は縮みが大きくなるのでかけないほうがベターです。
生地が極厚。1年、2年で着つぶすようなTシャツではない。だからネックがどうしても伸びてほしくない。
ということで、2階立てのバインダー金具を作りました。これ、今ではWさんで有名ですが、自分が最初に私が見たのは旧Mの2枚パックT。太いリブが下には覗かない仕様でしたが「こんな首の作りがあるのだな」と見たのを覚えています。
ただ、いくら2階立てバインダーでもリブ自体がしっかりしてないと伸びる。ということで、ボディに合わせた厚いリブで2階立て。毎回、この製品縫うたびにミシン屋さん呼んで、ばっちり糸調整する、手間のかかる仕様です。
2階立てを横から断面図で。
ボディを首リブで挟み込み、さらに、その首リブの上に2階部分がリブで乗る。そして2本針で一気に縫う。針落ち部分の生地厚みの違い、さらに直線ではなくボディは首回りでカーブしている。ということは、内回り・外回りは距離が違う。でも目が飛んではいけない。
自分で頼んでおきながら、ぞっとする仕様です。2月ごろ、量産を縫うので現場で見学させてもらいつつ感謝伝えに言ってきます。（謝るのも違うので）
左袖にはランニングキャットネーム。今まであまり外から見てわかるネームはつけませんでしたが、我ながら、Tシャツもよいものが作れるようになった！と自負でつけてみました。ただ、高かった！超高密度織りでこそ再現できている猫のエッジが見どころ。
左胸にホームベース型ポケット。生地がしっかり分厚いので、カギ程度は入れてもだれません。
裾・袖口は通称「天地」。目調子を調整したオーバーロックを裏からかけて、「えい！」っと下におろすと、この糸のワタリが出ます。ロックがきつすぎると下に下りない。浅すぎると縫えてない。工場さんが毎回「見てよ！」と自慢する部分です。ただ、自慢しすぎて、このワタリが出すぎてることがあるので、そこはこちらの企画意図に合わせてもらって直したこともあります。「見て！」という気持ちはわかります。縫い方として難しいので。
ビンテージのTシャツはこの天地が多い印象です。だから、今回、ボディがある程度よれる（ねじれる）Runnning Cat Tはこの天地始末にしました。
素材 6.5オンス・コットン100％・ベンタイル
附属 樹脂ボタン
縫製 ポリエステルスパン糸
MADE IN JAPAN
M 肩幅45cm 身幅56cm 着丈65cm 袖丈23cm
L 肩幅48cm 身幅59cm 着丈67cm 袖丈24cm
XL 肩幅51cm 身幅63cm 着丈68cm 袖丈25cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。
