Workers K&T H MFG Co "Saint-Germain Shirt, Navy Broadcloth"
2022 F/ Wの新型、今は無きマルセルラサンスのシャツを参考に作りました。
古着で見るたびに「アメリカ物のシャツとは何か違うのだよな」と感じ、実際、何着か集めて特徴をつかみました。
ストレスを感じない、ゆったりした着心地。でも身幅肩幅は大きすぎない。袖を計測、一部分解してわかりました。
袖幅がアーム周りから袖口まで非常に太い。その太い袖に何本もタックを入れてカフスで納める。だから、平らに置くと独特のシルエット。
「自分が中学生のころに着ていたシャツってこんな感じだったよな」と思い出す、あの着心地。当然、 袖も肘上まで捲れる。 2010年頃のタイトフィッティングとは真逆のゆったりした袖。
もう一つの特徴が襟。カラーステイが入っています。ここも「ほどいてみたからわかったよ」で、襟の生地を一部3枚にして一枚が芯の代わりに。薄手の素材だからこその仕様。「この素材だからこの仕様」考えられています。
悩んだのが素材。オリジナルははっきり言えばちょっと「粗野」過ぎる、打ち込み本数が少ないポプリン。これだと、 高級感も無いし織りがスカスカすぎて寒い。冬に向かない。
そこで、無地・ストライプはタテ100番双糸のブロードクロス・3.2 オンス。ヨコがあえて80 番単糸なのでちょっとカジュアルさも残しつつ。
ノンウォッシュ・洗い無の製品です。高密度生地/防縮加工も入っているのので通常の洗濯/天日干しであれば縮みはごくわずかです。
サンジェルマンシャツ、第一の特徴がピシッとまっすぐ伸びた羽襟。
襟自体は、長すぎず短すぎず。ちょっとだけワイドスプレッド気味。身頃のボタが低すぎないので、ネクタイをしないでも襟がびろっと広がってしまう事はありません。
秘訣はカラーステイ。襟先に向かって裏に一部穴が開いていて「ステイ」と呼ばれる棒状のパーツが入ります。選択の時は抜いてください。
もちろん、抜いたままでも着用出来ます。
このステイに水牛のツノ、金属など、自分好みの物を入れてカスタムする方もおられます。私自身、水牛のを用意してあるので完成したら入れてみようと思います。
ネームはおなじみのデザインで緑文字バージョン。
大きなホームベース型ポケット。これだけ大きいとiphoneも楽に入ります。入れっぱなしは厳しいですが、ちょっと入れたいときにポケットはあると便利。
フロント、前立ては無く身頃を三つ折りしてホールで止める。このあたりがアメリカ物のシャツと違いを感じる部分。ステッチが無い分、シンプルかつドレスウェア的な雰囲気。ボタンは高瀬貝。なので、洗う時はネットに入れてください。
サイドへのラインはごく平均的。深すぎず、浅すぎず。
とは言っても裾の三巻は縫製工場の腕の見せ所。うまい・・・私はこんなに綺麗に縫えないです。
難しいのが寸法のひずみ。まっすぐを三巻するのであれば折った部分はすべて同じ寸法。ところがカーブを折ると、ある部分は縫い上がりより長い・短いが出てきます。これをある程度シワで何とかするしかないのですが、破綻しないように綺麗にシワを入れて行かないと縫い外れてしまう。そのあたりが、この工場さんはうまいのです。さすが、何十年もシャツだけ縫ってきただけあります。
袖口にたっぷり入ったタック。WORKERSのModified BDより大きな袖口。カフス自体の大きさはほぼ同じなので、タックを何本も入れることで、差寸を納めます。
このゆったりした袖が、あの古着独特の「身頃はそこそこフィットしてるのに、体を動かしたときどこも突っ張らないなぁ」という独特な着やすいシルエットを生み出します。
素材 3.2オンス・コットン100%・タテ100番双糸ブロードクロス
附属 高瀬貝ボタン
縫製 総ポリエステルスパン糸
MADE IN JAPAN
14.5 肩幅44.0cm 身幅52.0cm 着丈78.0cm 袖丈62.0cm
15.5 肩幅45.0cm 身幅55.0cm 着丈80.0cm 袖丈62.0cm
16.5 肩幅46.0cm 身幅59.0cm 着丈81.0cm 袖丈63.0cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。