Workers "BIG CAT Work Shirt, Blue Chambray"
ベーシックなワークシャツ。BIG CAT???そう、元ネタはBIG M・・です。
YANKとかではなく、もう少し「何でもないワークシャツ」をモデルに作りました。
仕様、トリプルのチェーンステッチで縫い合わせ。脇にマチあり。
フロントは上前・下前、それぞれ幅の違うダブルのチェーンステッチ。
袖口開きは通称「イッテコイ」始末。袖を太めパターン、肘上までしっかりまくれます。
身頃は15(M)サイズで57-8センチ、着丈が76-7センチ。
シルエットでいうと、今のModifiedBDに近いですが、背中にタックが無い分肩幅が49センチで広い。少し、肩が落ち気味でゆとりがある。これがワークシャツのシルエット。
個人的に、草刈りするときにどうしても必要なのがワークシャツ。前に作ったシャンブレーはだいぶ良い色になってきたので、今年はデニムを買って経年変化を楽しもうと思います。
素材、ブルーシャンブレーは色糸部分がインディゴ染。着て、洗ってを繰り返すと首回りから色落ちが始まり、最終的にはガラッと雰囲気が変わります。巾の狭い耳付き(セルビッジ付き)。脇のマチ部分に耳を使っています。
製品はOW済です。
ネックは台襟+羽襟。チンストは無し。MILTON F GOODMAN Shirtのような超豪華系ではなく、もっと後の年代の「地味、でも今見ればすごくよくできている」ワークシャツを目指しています。こういうシャツも昔はそれこそ数千円から、1-2万出せばビンテージが買えましたが、今は無理なので作りました。
少し落ち気味の肩、ゆったりした身頃。一時代前のぱっつぱつとは違う、かといって若い子達が着る肩が落ちまくったのとも違う。ベーシックなワークシャツのサイズ感。
アメリカといえばパトリオットカラー。ブルーとレッド。どこかで見たようなネームですが、ちゃんとBIG CATは商標申請してます。
別に、猫好きな方がTシャツ作ってBIG CATと書いてあったからどうこう言うつもりはありません。ただ、取って置かないと自分が突っ込まれた時困りたくないので。ちなみに、CAT DAYは取得までしてます。
サイズネームも「らしいもの」で。プリントで15 1/2より、「M 」のほうがこのシャツには合います。最近、サイズネームとか、いよいよどうでも良い部分に凝りがち。完全に自己満足です。
白糸系は綿糸、50番で細いのでやたら細かい目、生地に食い込ませて縫って強度を出しています。服自体が摩耗するときもステッチより生地が先に摩耗します。
左胸にペン差しのホールがついたフラップポケット。このフラップが縫って・ひっくり返して・綺麗にアイロンしてなので簡単そうに見えて手間がかかる。
こまかーいことを言うと、同じシャツ穴でもボタンダウンとワークシャツは目調子が違う。ワークシャツは触るとペタっとした穴、ボタンダウンは上糸の調子が強く立ったような穴。
20年近く前に、たまたまミシン屋さんから「そういえば、シャツってものによってパール穴とかウィップ穴って言って、目数だけじゃなく目調子自体変えてるよね」と教えてもらい、ビンテージを見ると「確かに!」。それ以来、ホールの糸調子は指示しています。
皿型のボタン。これも、猫目とか真ん中ふくらみとかいろいろありますが、皿側はあんまり古くないよね・・・とか、はるか昔はビンテージ見て言っていました。今となれば、皿ボタンでもふる〜いシャツもあったのでしょうが。でも、当時からのイメージで「あんまり古すぎないシャツ=皿ボタン」を選んでいます。
おなじみ、WORKERS支給のミシンで縫う前立て部分。細い糸、細かい目で縫うためだけに支給しているので、目の綺麗さが違います。
下側も針を入れる部分を変えて、金具を変えて、同じミシンで縫います。
袖口は通称「イッテコイ」の倒しステッチあり。切込みを入れた袖に、パイピングを切込みの先まで「行って」「帰る」から通称「イッテコイ」。切込みの先は無理やり縫っているので皺が出ます。皺が出てなかったら、縫いこみが浅いのですぐに裂けてしまいます。
二本針で角を縫うと昔は自然に出ていた糸のワタリ。今では、このワタリが出ないように、片方の針を停止する機能がありますが、そこをあえて出してもらっています。(といっても、現代は針位置停止も使いながら綺麗に糸のワタリを出してくれます。工場さんがうますぎるのです。
もし、将来自分で縫う機会があれば、ビンテージのように思いっきり縫い外したり、めちゃくちゃな縫い方しても面白いかも。
身頃・袖の縫い合わせはトリプルステッチ。これぞ「ワークシャツ」という力強いステッチ。
初めて見たときは
「なんで3本も縫い目があるんだ!!!!裏見たら縫い目がなんか違う!!!!(チェーンステッチだから) ヨーカードーで売ってるシャツみたいにロックがかかってない!!!(生地をお互い巻き込む、巻き縫いだから)」
と、感動したのが昨日の事のようです。リーバイスの復刻Gジャンの袖ぐり見ても「なんでロックなんだよ!」とか同じようなこと言ってましたね。
脇はマチ始末。耳使いはインディゴシャンブレーのみ。
まっすぐだけど、肩が落ちるので自然とカーブがついたヨーク。肩部分の生地が二重で強度アップ。でも、重なり部分は生地が分厚くなるので縫うのは中々つらい。
今、私がお願いしている工場さんは簡単に縫いますが、これが、他の産地だと意外に縫えない。また、私の企画自体も「ワークシャツでこの縫い方なら生地の厚みはこの程度まで」とか、縫い方にあった生地選びをしています。
素材 5オンス・コットン100%・セルビッジシャンブレー
附属 尿諸樹脂ボタン
縫製 綿糸
MADE IN JAPAN
S 肩幅50.0cm 身幅56.0cm 着丈78.0cm 袖丈60.0cm
M 肩幅52.0cm 身幅60.0cm 着丈79.0cm 袖丈61.0cm
L 肩幅54.0cm 身幅64.0cm 着丈81.0cm 袖丈62.0cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。