Workers "Cruiser Jacket, Cotton Ventile"
数年前から 「ハンティングジャケットよりはシンプルに」「フロントからのポケットに、他からもアクセスできる方法 は・・・」と悩んでいました。
そんな時、斜めの内ポケットを全く別のアウターで「手が入れやすいように」と作りました。 そこでひらめいたのが今回のジャケットで使った仕様。
身頃裏の下段、斜めポケットは底に穴が開いていて、裏地・表地 の間に貫通しています。フロントの三日月から入れたものをここから取ることができます。この手のギミックにありがち な「確かに使えるよね」というレベルにとどまらないよう、位置、開口部の大きさ、ポケット底が中に開いている穴ギリ ギリになるようステッチ位置を調整しています。
ネイビーは、前から「作って!」と言われていたベンタイル。綾織りでしなやかなベンタイルを選びました。こちらは生地 が薄いので、身頃裏に別布は使わず共生地。 ステッチがあまり派手にならない、身頃同色を選んでいるのでごく普通のジャケットとして。
ポケット、その上部にも左右内ポケット。外ポケットはマチ付きで大容量と収納力抜群。これ1 枚でバッグを 持たずに出かけてください。
製品はOW済です。
襟は挟み込みタイプのテーラーカラー。 実は最初に、チンストラップ付のカバーオール風襟でサンプルを作ってみたのですが似合わず。やはり、こちらのテーラー襟で落ち着きました。
襟裏には芯止めステッチあり。一応、立てても着られるよう、トップのホールはあけてボタンもつけていますが、本来は折って着る型紙なので無理やりです。
胸ポケットはタックチ付き。若干装飾的でもありますが、アウトドアウェアと言えばの雰囲気もあり、今回はタック付きにしました。
フロントは三日月ポケット。ここから入れたものは、前身頃の裏地とも間に入り、さらに、内ポケット下段から取り出すことができます。
言葉で説明してもさっぱりだと思うので、動画で解説します。
テイクワン
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開きどまりはカンヌキで補強。
ベンタイルはご覧のように撥水性があります。ただ、強い撥水ではないので霧雨のような物には弱い。ぼとっと落ちた水は滑るように落ちます。
前身頃裏には裏地があり、上段は普通のポケット。下段は、先ほどの三日月ポケットから入ったものを取り出すことができるポケット。もちろん、下段から物を入れてもOKです。
ベンタイルはコットンサテンに比べて薄手なので、裏地にも表と同じ生地を使っています。
袖口はいわゆるカバーオールなどと同じ裏見返し始末で開きあり。カジュアルジャケットなので、袖丈直しはあまりしないと思いますが、するなら袖山や肩ということになります。
腰ポケット、Cruiser Vestでもおなじみのタック+フラップポケット。厚みのあるものを入れた時、タックが開いて容量が増える・・・というものですが、いかにもアウトドアウェアをデザインソースにしているな、という装飾的意味合いも。
フラップ裏は裏地。ベンタイルは共生地。
背面。身頃自体は、前・後ろの二面。さらに後ろ中心にも縫い目あり。
パイピング片倒し、巻縫いと、縫い目の違いによるパッカリングの出具合が違う。縫製仕様を検討するうちに、結果としてパッカリングの出具合が変わる。それが、転じてデザインとしても感じられる。ワークウェアやアウトドアウェア、本来機能一辺倒で作られたはずの服が、「用の美」ともいえる、枯れた美しさを感じる部分です。
素材 表地/裏地:6.5オンス・コットン100%・ベンタイルギャバ(綾織)
附属 ナットボタン
縫製 総スパン糸
ワンウォッシュ
38 肩幅44.0cm 身幅53.0cm 着丈72.0cm 袖丈61.0cm
40 肩幅46.0cm 身幅58.0cm 着丈74.0cm 袖丈62.0cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。