Workers K&T H MFG Co "Lot 20, Modified BD, White Supima Oxford"
久しぶりに登場のLot.20。WORKERS初期から作り続ける、フロントがラウンドしたクラシックなBDシャツ。
シルエットは定番のModifiedFit。ビンテージのようにゆったりとはしすぎず、かといってタイトショートでも無い中庸なシルエット。
フロントのラウンドした部分。もともと、シャツが下着であった時代の名残とも言われています。
左右にかぶさり、それが男性の股部分をカバーしたという説も。
1900年代初頭と思しきシャツを見るととにかく着丈が長い。下着機能としては良いのでしょうが、裾を出して着ることもある現代の感覚では長すぎる。かといって、丈を短くしすぎるとフロントのカーブがきつくなり縫えなくなってしまう。
それらのギリギリを狙って着丈・フロントカーブを検討しています。
がっちりアイロン、裾を入れてネクタイを締め、トラッドなBDとして。
逆に裾を出してボタンも前を開けてゆったりと。そんな風に、綺麗にも、崩しても着られるのがBDシャツの良い所です。
素材はスーピマコットンを使ったオックスフォード。
スーピマコットンは、米綿の長長綿。長長綿にありがちな、ドレスウェア過ぎない、ラフながらもどこか高級感があるのが特徴。
タテ糸は40番糸の2本引き揃え、ヨコ糸は10番を1本。タテヨコで糸の太さにかなり差があり、それがオックス独特のざらざらした表情を生んでいます。
オンスは5オンス程度でシャツとしては中厚クラス。春先から夏前まで。
さらに、秋口から冬も通年着られる厚みです。OW済の製品をお送りします。
ボタンダウンシャツの顔といえば襟。Modified BDの羽襟は通称「フルロール」。8.5センチほどの現代からすると大きな襟。
ボタンを締めた状態ではペタッと平らに、ボタンを緩めると美しいロールが見えます。
肩ヨークはステッチ無し。ステッチ無しだと少し、ドレスウェア的に見える部分。
羽襟のステッチギリギリに入れたボタンホール。簡単そうに見えて、厚みが違う部分なので綺麗にホールをあけるのはコツが要ります。特にオックスは生地の厚みがあるので難しい部分。
台襟のボタンをあけて少し出るロール。あくまでわざとらしくならないように、ボタンの位置決めは毎回、現物を1枚確かめてから全量決めていきます。
パターン上に書いてしまうと、どうしても、誤差が出てもそのまま「パターンの位置」についてしまう。
なので、あえてパターンにはボタン位置を書かず、一枚、先上げしてもらって最終位置決めをしています。
アメリカ的BDというと、ポケットは外せません。ドレスシャツだとポケットが省かれる事がありますが、ボタンダウンシャツはどこか「道具」とか「スポーツウェア」なイメージがドレスシャツの中でもあります。素材がタフなオックスフォードだったり、襟がはためかないようボタンで留められたり。このポケットもそうで、BDにはやはり残したいものです。
袖ぐりのパッカリング。縫い合わせ部分・ステッチが落ちる部分と、本来、外回り・内回りで寸法が合わないものを織り伏せ縫いするから出る皺。
「出さない方法は無いのですか?」と聞かれたこともあります。出さない方法もあるのですが(袖をインターロックにしてしまうとか)、それだと私が憧れる「アメリカらしいドレスシャツ」とはかけ離れてしまいます。やはり、この縫い仕様だからこそ自然と出る皺やパッカリングはWORKERSの服には重要です。
フロントのラウンド始末。
クラシックなシャツに見られる仕様。
ただ、Modified Fitは丈が短いので丸みが小さくなっていて、あくまで「デザイン」。ちなみに、この仕様を大々的に世に広めたのはおそらく、ブルックスブラザーズのブラックフリースでしょう。初めて見たときは、多本針の環縫いミシンを使いながらこのラウンド仕様をしているので衝撃的でした。
ただ、弱点?というか、クオリティで危ない部分もあります。ギリギリまで切り込みを入れないと、このラウンド始末ができません。写真でも、ステッチの横ギリギリまで切り込みが入っています。周りをステッチで止め補強していますが、強く引っ張ればさけますのであまりタイトに着すぎないようにお願いします。
カフスは表のみ芯止めステッチが入ります。
脇は極細の折伏せ縫いにマチ始末。どうしても、裏に若干、生地裁ち端の糸が出るのはご容赦ください。
後ろ中心にタック。これで肩幅は適正、アームホールを大きくしすぎないでも身頃にゆったりとしたゆとりを持たせています。
ワンウォッシュ製品, MADE IN JAPAN
素材 5.5オンス・スーピマコットン100%・オックスフォード
附属 樹脂ボタン
縫製 綿糸
サイズ
14.5 肩幅44.0cm 身幅52.0cm 着丈72.0cm 袖丈61.0cm
15.5 肩幅45.0cm 身幅55.0cm 着丈73.0cm 袖丈62.0cm
16.5 肩幅46.0cm 身幅59.0cm 着丈75.0cm 袖丈63.0cm
サイズ表
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。