Workers K&T H MFG Co "Wide Spread Shirt, White Spima OX"
WORKERSでは製品企画をする時、「定番」な組み合わせを大事にしてきました。たとえば、ボタンダウンなら素材はオックスフォード、ワイドスプレッドならつるっとしたブロード。その形に典型的な素材を選んできました。
今回のワイドスプレッドはそれを破り、「あえて」本来使ってこなかったオックスフォードを当てはめました。
私自身、最近、ボタンダウンよりワイドスプレッドシャツを好きで良く着ます。裾を入れて、ネクタイを締めて出張先でお客様と会う。リラックスする時はシャツの裾を出して、ネクタイも締めず。時には短パンに履き替えてその上に。「1枚のシャツでも組み合わせによって印象を変える。オックスのボタンダウンでも良くやったな」と思い出しました。
ワイドスプレッドはどうしてもドレスウェアの印象が強いからか、ボタンダウンの次というイメージ。もっとカジュアルに、ラフに。着方によっては綺麗にも、ラフにも着られるワイドスプレッドの良さを伝えたい。ということで、素材をカジュアルに振ってみました。ジーンズやチノパンの上にワイドスプレッド。ネクタイはやはりニットタイが良く似合いますが、レジメンタルのような絹織物系も出来るよう、台襟を極端に細くしていません。かといって、台襟を高くしすぎるとドレスウェアっぽくなりすぎるので、パターンを微調整して「ネクタイは綺麗に収まる、でも高すぎない」寸法を目指しています。
オックスは定番のスーピマオックス。Dオックスよりは少し薄い、通年着られる5.5オンス。
このワイドスプレッド型、もとは古着で手に入れたHATHAWAY製のシャツを原型につかいました。そこから、襟先の開き具合を変えたり、台襟の高さ、身頃襟ぐりのくり具合に合わせて微調整加えたり。現在では、かなり見た目が変わっていますが、大元はリンク先の古着です。
私が、ボタンダウンと同じぐらいワイドスプレッドが好き。今までも、ワイドスプレッドらしい素材、ブロードを中心に作ってきましたが、今回あえてオックスで作りました。
どうしても、ワイドスプレッド=ドレスシャツっぽすぎる、と思われる方もいます。だったら、素材をもっとスポーツシャツより、ボタンダウンでおなじみのオックスで作ってみたらどうだろうか?という企画です。
襟腰はボタンダウンと同程度あり、羽襟の返りも微調整を繰り返してかなり収まり良くなっています。そのため、ニットタイだけでなくレップタイをしてもしっかり収まっているのがわかります。
襟腰をどんどん高くしてしまえば、ネクタイは綺麗に入るのですが、そうすると今度はドレスシャツっぽすぎる。そして、首の短い日本人には顎が突っかかる感覚も出てきます。ネクタイはきっちり収まる範囲内で、高くしすぎない台襟。もちろん、後ろ中心から前に向かっては首に沿うようにカーブさせながら細くする。パターンの微調整&それを精密に裁断して縫う、シャツ工場の技術が映える部分です。
襟周りは0.2ステッチ。参考にしたオリジナルは5ミリ程度でしたが、もう少しドレスシャツっぽさが欲しいなとここは0.2にしました。襟先は硬くなるのですが、綺麗に縫えています。
袖ぐりは折伏せ縫い、肩ヨークはステッチ無し。俗に「コンストラクションヨーク」などとも呼ばれますが、単純に「ステッチ無しのヨーク」です。身頃をはさんでから返す、この時にステッチをしていないのでふんわりと作れる。また、表面にたくさんステッチが出るとどんどんカジュアル感が出てくるので、そこも抑えているわけです。
フロントは三巻。前立て無し。ここも前立てを乗せたり、くわえたりするのではなく三巻することで表にあまりステッチを出さない。ドレスシャツ的なディテール。
樽型のカフス。芯止めステッチあり。袖口はボタン調節があるので、袖丈が長い時はカフスを絞って調節してください。
素材 5.5オンス・スーピマコットン100%・オックスフォード
縫製 総綿糸
付属 三つ穴樹脂ボタン
MADE IN JAPAN
14.5 肩幅44.0cm 身幅52.0cm 着丈72.0cm 袖丈61.0cm
15.5 肩幅45.0cm 身幅55.0cm 着丈72.0cm 袖丈62.0cm
サイズ表
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。