Workers K&T H MFG Co“Fatigue Shirt, Reversed Sateen, OD”
このところなんとなく、久しぶりに昔着た古着のようなざっくりしたシャツアウターを着たいという感覚があります。ファティーグシャツもその一つで、中厚ぐらいのセーターを着て大き目のファティーグシャツを羽織る。その上は、WORKERSのラインナップで言えばマウンパや、コート系。現行品で言えば、アウトドアウェアメーカーやミリタリーの中綿系も気楽で良いと思います。
そんなファティーグシャツ、古着でも安く、買いやすいのでせっかく作るならば・・・と、ちょっとマニアックにUSMCの物を形にしました。露出しないボタンはシンプルな印象に一役買ってくれます。さらに、左身頃にボタン付きの内ポケット。これが機能的で、小さな財布・携帯電話程度がしっかり入り、アウターとして一枚で着るとバッグ代わりになります。
素材はシャツというよりは、カバーオールに近い8.5オンスのバックサテン。WORKERSではベーカーパンツに使い続けている、あの太番手のバックサテン。硫化染めで、洗うごとに色落ちして徐々に柔らかくなる素材。ミリタリーで良くある「生地を適当に使っちゃった」をデザインとして取り入れ、ポケット2トーンも作りました。製品はOW済です。
参考にしたオリジナルより少し小さめにした襟。バランスを考えて、でも現代的な小襟にはなりすぎないように。
肩・袖ぐりは二本針巻き縫い。ベーシックな始末ですが、縫い代の断ち端(切れ端)が見えない、綺麗な始末。
ミリタリーウェア・ワークウェアの面白さがこの巻き縫いで、ラフに作っているけれど断ち端が見えないので裏から見た時に服自体がすっきり見えるのです。
ボタンのアップ。光沢のある尿素ボタン。真ん中に糸のかかるくぼみのあるもの。これも参考にしたオリジナルにできる限り近い形を。
USMCのファティーグシャツ、最大の特徴が表面上ボタンが見えない始末。フラップにも、フロントにもヒヨクがあります。
作るのはとても大変です。無くても良いヒヨクという部品をつける為手間もかかり、厚みが出るので始末も気をつかいます。それでも、全体的にごちゃごちゃしていない、すっきりとした雰囲気、またボタンの引っかかりを気にしないので良いという利点も。
フラップのヒヨク。通常のフラップとは別にもう1枚、手前に生地を抱かせてフラップを作ります。
言葉ではわかりづらいのでパターンで。最初に左下のパーツを折り、穴をあけます。次に右下の部品を当てて1枚に。
最後に、本来のフラップを作るようにぐるりと地縫いしてひっくり返す。う〜ん、わかりづらいですね。気になったら、上の図を切って折り紙してみてください。
左胸側にある内ポケット。開き口はボタンで留められます。iphoneやSUICAケースを入れるのに最適。その横にはフロントのヒヨクが見えます。
袖口は普通のシャツの始末。イッテコイと呼ばれるパイピングで開きの処理をしてカフスをつけています。
素材 8.5オンス・コットン100%・バックサテン
MADE IN JAPAN
S 肩幅46cm 身幅51.0cm 着丈66.5cm 袖丈60cm
M 肩幅47cm 身幅54.0cm 着丈67.0cm 袖丈60cm
サイズ表
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。