Workers "6 Button BD, Supima OX, White"
新型、ブルックスの6ボタンBD をモチーフにその名も「6 Button BD」(本当はButtons な気がしますが)。
オリジナルの型紙をトレースすると、肩幅が妙に狭い、でも身幅が広い。あまりバランスがよろしくない。そこで今回は WORKERS で10年来作ってきたModified BDをベースに。でも、オリジナルの「らしい」部分を取り入れました。
具体的に、 着丈は80弱、脇に向かって切り上がりが強い。フロントボタン位置、第一が少し低い。カフス、袖よりの高いボタン位置。 袖開きの形状。大き目のポケット。袖口が太く、それを思いっきりギャザーで小さくしてカフスをつける。
縫製も、肩ヨークは前だけステッチ。前立て、袖ぐりはチェーン。前端下、折り込みを深くしてカーブさせる。襟先のボ タンホールは羽襟ステッチにかける。全体的にやたら細かい目で縫う。そして白糸は今回も綿糸。凝りに凝ってます。
ここまでやったら部材も!ということでネーム作るのは当たり前。大変だったのがボタン。オリジナルは9.5ミリと8 ミリ。これが日本だと規格品がまず存在しない。「まぁ、樹脂ボタンだし量が出来てもそこまで値段はしないだろう」と発注すると「少量別注だから単価4.5 倍」と恐ろしい見積もり。まぁ、でも思い出なのでやります。結果・・・やっぱり ボタンのサイズって大事だなと実感しました。雰囲気が全然違う。色もModified BD で使う黄色っぽい樹脂ではなく、もう少し白っぽいもの。これが、黄変していくとビンテージに近くなる・・・かな?
素材は定番のスーピマオックスシリーズ。正直昔に比べて非常に高い!もっと安い、スーピマではないオックスもあるのですが、見比べるとわかります。
やはり、ある程度表面が均一、でもどこかラフ・タフさもあるスーピマオックス。洗いこんで、柔らかく「育つ」のも見どころ。
素材 5.5オンス・スーピマコットン100%・オックスフォード
附属 耐衝撃樹脂ボタン・9.5ミリ/8ミリを別注
縫製 綿糸
ワンウォッシュ製品 MADE IN JAPAN
サイズ14.5 肩幅44.0cm 身幅52.0cm 着丈77.0cm 袖丈61.0cm
サイズ15.5 肩幅45.0cm 身幅55.0cm 着丈79.0cm 袖丈61.0cm
サイズ16.5 肩幅47.0cm 身幅60.0cm 着丈80.0cm 袖丈62.0cm

6ボタンといえば、一番の特徴がフロントの第一ボタンの位置。フロントのボタン数が1個少ない分、フロントの第一ボタンの位置が低い。
Modified BDと比べてみてください。ここが開いている分、台襟のボタンを開けると中に着たTシャツの首元がよく見えます。本来、台襟のボタンを閉めて着るシャツが、古着になって日本に入ってくる。ネクタイを閉めないで着る。結果、首元が見えて、中に着るTシャツまでコーディネートの対象になる・・・という、進化というか、変化というか。服が、本来作られた目的から外れて、徐々に着方が変化していく、面白いところです。(海外のアイビーリーガーもネクタイなしでTシャツの首元を見せたりはしていそうですが。映画「セントオブウーマン」あたりをみてみてください)

羽襟先、台襟のボタンを閉めた状態では「ベタ」っとした位置についています。この段階でロールはしていません。人が着て初めてロールする位置に、羽襟のボタンをつけています。
ネームもせっかくなので新しいものを作りました。それっぽさ重視です。

わざわざ、この品番だけのためにボタンを作りました。なぜなら、このサイズのボタンがない!!!日本では今、普通に既製品で流通しているサイズではないのです。(いわゆる既成サイズよりちょっと小さい)
強度・取付の問題もあり、大丈夫かな???と思いながら作りましたがばっちりOK。実は、色はもう少し黄色味がかった樹脂を指定していましたが、工場さんが間違えて真っ白系で作ってしまいました。が、参考にしたオリジナルにはこちらのほうが近いので結果よかった。
おそらく、オリジナルはもともと貝ボタン→樹脂と変化してきているはずなので、貝に近い、白っぽい色の樹脂が若干黄変した色なのだと思います。

胸ポケットは樽型。下の丸みをうまくアイロンするのが難しい。Modified BDよりは少し大き目で、古着のサイズそのまま。

ヨークはModified BDと変わらず。というか、Modified BDが古今東西、様々なボタンダウンの集合体で、この後ろヨーク、真ん中にプリーツといった部分は6ボタンBDを見ていたわけです。
Workers
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。