Workers K&T H MFG Co "Pullover Work Shirt, Brown Linen"
新型ワークシャツ。着想は、自分が朝、血圧を測るのにたまたま着ていたリネンシャツ。脱ぐとき、上のボタンを2-3個外してプルオーバーのように着脱ぎしていました。
一方で「50 年代前後の完成されたワークシャツではない、もっとクラシックな物を作りたい」と以前から考えていたのも一因。
フロントは太い前立て。古いARMY のウールシャツを参考に寸法を出しました。
襟はチンスト+ 小さめの襟。ポケットはあえて左右。クラシックなシャツ= 1 ポケのイメージですが、実用性+ワークシャツらしさで2ポケットに。ボタンはメタル。適度に厚みがあり、角も立っていないので生地を切る事もなく安心して使えます。
背面、センターに細かいヒダ状のシャーリング。もっと完成された年代のワークシャツは身幅がそもそもゆったり取られ、背面にシャーリングやタックはありませんが、ここはドレスシャツの雰囲気を残して。
素材、リネン2 色はWORKERS定番の5.5 オンス。通年着られる厚み。生地洗い、揉みを何回も行い、リネンで起こり がちなチクチク感をほぼ完全に取り除いています。でもしっかり、リネンらしいプルプルした腰があるのは元がある程度厚い生地だから。
製品はOW済です。
チンストラップ+小ぶりな襟。これぞクラシックワークシャツ!という仕様。
せっかくなので、新しいネームを作りました。古いシャツと言えばやはりプリントネームがらしいよなと思い。
角形のチンストラップ。「これがあると古い!」とか言われていますが、私の予測は2つ。
・ストラップがつくと首回りのサイズ調節ができる
・身頃の襟回りと、台襟がきっちり同じ寸法に出来て居なくても、ごく適当に始末が出来てしまう
ある意味で「そんなにうまく作れない」という生産環境+「これで機能性もあがるし良いんじゃない?」機能性、この二つが原因だと思います。後は当時の「常識」もあったのだと思います。ワークシャツ=チンストがついてるもの。
チンストラップ部分はホールが二つあくので、それが両方閉じられる位置にボタンも二つ。
プリントネーム屋さんがWORKERSの好きな雰囲気をわかってくれています。洗えば徐々に剥げていくネーム。下のサイズネームも洗うと徐々に表面コーティングがなくなり最後は糸だけになってしまいます。
前立ての作り方は袖口のカフスと同じような作り方。チェーンステッチではなくシングルステッチで縫っています。この方が身頃への切り込みを少し手前でやめることができるので強度が出ます。
ボタンは金属ボタン。縁が適度に厚く、かつエッジも立っていないのでボタンホールを切りづらい。
肩ヨークはステッチ有り。袖ぐりはあえて巻縫い(ダブルステッチ)ではなく折伏せ縫い。このあたり、ワークシャツ=ダブル・トリプルの巻縫い(チェーンステッチ)で仕様が固まる前の、ドレスシャツの名残感を残した仕様。
胸ポケット、これもホームベース型のほうがクラシックに感じます。六角形はもう少し新しい。
別に機能だけ考えれば四角い布を張り付けるだけでも良いのですが、何か、作られた時代の人なりの美意識とか常識があったのだと思います。それを後世の我々が見ると「いつごろのシャツはこういうポケットがついていた」「だからこの形のポケットを見ると、何年代って雰囲気がする」と認識するのです。
袖口はフロントと同じく、太めのプラケット(前立て状の開き)
背面の真ん中に細かなシャーリング。もっと現代的なボタンダウンならタックにするだろうし、ワークシャツなら身頃にゆとりを出してタックは無しにする。そこをあえてシャーリングにしていると「クラシックなドレスシャツの名残」を感じる部分。
ネーム付けもあえて貫通ステッチ。普通だったらヨークに先付けするだろうに、こういう部分にはこだわらなかったりするのが古着で見つかる面白い仕様。それをあえて再現しています。
脇はマチ+ダブルステッチのチェーン始末。
脇から見ると、少し長めの着丈・前丈で脇に向かって切り上がるのがわかります。
素材 5.5オンス・リネン100%
附属 メタルボタン
縫製 スパン糸
ワンウォッシュ製品 MADE IN JAPAN
15.5 肩幅49.0cm 身幅60.0cm 着丈78.0cm 袖丈60.0cm
16.5 肩幅51.0cm 身幅63.0cm 着丈79.0cm 袖丈62.0cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。