Workers K&T H MFG Co "Duffle Coat, Dark Navy Herringbone"


Workers K&T H MFG Co "Duffle Coat, Dark Navy Herringbone"
見た瞬間、知っている人は知っている。そう、あのダッフルがモチーフ。でもあのダッフル、サイドベンツだったり、パター ンが力技で肩先・サイドネックに厚みがありすぎ着ていてゴリゴリする。そして、フロントも高級感あふれる水牛。そうではなく、厚みは軽減するパターン、仕様はもう少しな原始的なダッフルに寄せてWORKERSでは作りました。

トグルは木製。裾はベント無し。全面にキュプラの裏地。この裏地が大事!今まで古着やそれをモチーフにしたダッフル、 何回も挑戦して着なくなった理由が

「着脱ぎと着ている時のストレス」

なんせ動きづらい!その点、キュプラ裏地があると着脱ぎ・着用時の突っかかりが皆無。気持ち的には、映画「第三の男」みたいに裏地無しをガバっ!といきたいところですが、40も過ぎるとやっぱりストレスの感じる服は着ていられないのです。

ベージュとネイビーは一宮の別の生地屋さんの物。以前からコートに使いたい なと目をつけていたもので15.5 オンスとダブルクロス以上の重み。ウール90%・ナイロン10%は一回目のリサイクルウール糸を使っています。ウールは綿以上に取れる量も少ない、一言でいえば「希少」なのでリサイクル文化が進んでいます。ウール100に負けない風合いで、かつ強度はナイロンが補い、価格もある程度抑えられている生地。

革も豪華にドイツ・ぺリンガーのノブレッサカーフ。

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それほど大きくない襟にフード。フードはボタンで取り外しも出来まずが、つけていた方が襟回りにボリュームがあって可愛い。

見えづらいですが、襟は襟台になる部分と、羽襟になる部分で切り替えが入っています。襟台は立たせたい、羽襟は寝かせたい。これを、テーラー系の工場だとアイロン操作でやる場合もありますが、パターンである程度、そうなるようにカーブをつけてあげた方がWORKERSがお願いしている工場ではベターです。お願いしているのが、カジュアルかつ、厚地をすっきりきれいに縫うのがうまい工場さんなので。

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豪華にノブレッサカーフで紐の補強。トグルも工場さんが廃業されるので、最後にある程度の数を作ってもらいました。トグル、ボタンの用にはちゃんとしまりません。裏にファスナーつけたり、スナップつけようかな?とも考えましたが、このいい加減さがダッフルコートだよなと考え、トグルのみにしました。
どうしうてもトグルでもしっかりしめたいときは、ホール状態の紐の真ん中あたりを縫い留めてください。ホールの穴を小さくする感じです。こうすると、トグルでもしっかりしまります。

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身頃・袖には全面にキュプラの裏地。これがビンテージとの最大の違い。ビンテージは一枚物。あれが中に着るものにどうしても引っかりやすい。それこそ、寒い船の管板でずっと着てるなら良いのでしょうが、現代の外に出るときは着て、室内で暑ければ脱ぐとなると、着脱ぎのしにくさはストレスになります。

自分でもビンテージ買って、最初はうれしくて着るのですが、重さと着心地の悪さにすぐ着なくなってしまいました。でもダッフルがたまに着たいなと思うと、こういう裏地がちゃんとついて、使い勝手は考えた物が欲しくなります。

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腰ポケット・フラップにも裏地付き。手を入れた時の手触りの良さが大事です。

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袖口のタブ。調整というよりはデザインでしょうか。これがつくと、若干の重みもあるし、袖が落ち着きます。

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久しぶりに超マニアックというか「誰が知りたいんだよ、そんなこと」という話。

ダッフルコートの型紙、身頃にヨークが乗っかります。ビンテージを見ると、ヨークは前・後ろがくっついた長い形をしている。理由は肩部分。異様なまでに厚みのある生地なので、身頃の肩部分の縫い割りと、ヨークの縫い割りを重ねたくなかったのでしょう。

では、WORKERSも同じことができるか?といえばダメ。身頃にしっかりタテストライプ状に柄がある。これで、ビンテージと同じ型紙にしてしまうと、後ろ身頃はストライプの方向が合うけど、前は合わない。という事で、最初は真ん中の型紙。身頃も、ヨークも、同じように割って作ってみました。が・・・なんとか縫えてるけど、サイドネックと呼ばれる、首と肩線の当たる位置が、異様な厚みでゴリゴリとなんとも着づらい。

そこで考える事しばし。何とか、この身頃の肩縫い目線を移動できないか・・・過去作った製品で肩線の無い製品は無かったか・・・あった!フットボールTだ!

どんでもないところから身頃のアイデアを持ってきました。でも作ってみるとばっちり。

肩部分は厚みが減る。身頃をつなぐのは後ろ中心と、その少し下部分。ちょうど、上に乗るヨークできれいに隠れる。身頃の縫い目もしっかりアイロンで割って、押さえのステッチをかければデコボコした感じもしない。固さもない。

自分で服を作る時は、過去の様々な製品を見て、合理的だったり綺麗だったり、良い作り方は真似ます。でも今回のは珍しくそういう真似ではない、我ながらよくぞ考えついたなという方法でした。世の中のダッフルコートヨーク地の目問題で悩まれているパタンナーさん、この展開方法はお勧めです。

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ベージュとネイビーはやはり、一宮の原田さんの生地。だいぶ前に行った時に、この生地の見本をもらっていつかダッフルに使おうと温めていました。

形にしてみると「これぞダッフル」というどっしりした重さ、かつヘリンボンがある程度見えるのも気に入っています。縮絨を強くかけてしまうと、このヘリンボンが見えなくなってしまう。それよりは、今回のダッフルには柄が見えてほしかったのです。

葛利さんの、パキっとはっきり見える生地。原田さんの、見えてはいるけれどもう少し大人しく見えるもの。どちらも気に入っています。

素材
表地:15.5オンス・ウール90%・ナイロン10%・ヘリンボン
裏地:キュプラ100%
附属 木製トグル, ノブレッサカーフ補強革
縫製 スパン糸
MADE IN JAPAN
36 肩幅50.0cm 身幅55.0cm 着丈97.0cm 袖丈62.0cm
38 肩幅51.0cm 身幅59.0cm 着丈99.0cm 袖丈62.0cm

Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。
型番 Duffle Coat
販売価格
80,000円(税抜)
サイズ
購入数