Workers K&T H MFG Co "Winter Modified BD, White Heavy D-OX"
おなじみのModified BD と同シルエット。では何が違うか?素材が違います。
オックスは10数年ほどまえ、ダンリバーがクローズだ!という時に市場にある「これが最後のダンリバー」と売られて いたシャツを当時の勤め先の社長に私物で買ってもらい(当時の私には2 万のシャツは高価過ぎたのです)「切っちゃだめだからね!」と生地屋さんに解析に出したら思いっきりぶった切られて返ってきた、思い出深い生地です。
でも、ぶった切ったおかげで糸の番手解析がばっちり。通常、市場で流れている太さの糸ではなく、生地屋さんが気合で糸から作ってくれた生地です。(でもその後、たくさん売れたみたいで良かった!良いものは売れるんだ、やっぱり)WORKERS の 定番、Supima OXより厚い6 オンスほど。ヨコ糸がその変わった番手です。一応、生地屋さんの秘密なので番手は内緒。 真夏にはきつい、秋から真冬には最適なオックス。
ModifiedFit、この10年程のシルエットの流れを数値化して研究、導き出しました。2000年代、タイトフィッティングから始まり2019年、最近は少しルーズなフィットが流れ。
これら、時代に求められるシルエットに加え、本来の「シャツとしての機能性」「日本人の体形に合う寸法」を考えて各部の寸法・曲線を型紙に落とし込みました。
身頃、フィット感はあるけれどもピタピタでは無い。肩幅も落ちすぎず、入りすぎず。着丈は裾を出しても・入れても着られる72-3センチ程を中心に。
袖ぐりのカマ(縦方向の寸法)自体はある程度寸法があり、窮屈さは無い。でも肘から先をわずかに細くしてすっきりと。その分、袖がまくりづらくなるので、袖口の開きは深めにとる・・・といったように、論理的に考えて型紙をひいています。
デザイン的なシャツでは無く、設計的なシャツとでもいうのでしょうか。型紙を自分でひくからこそ、こういう作り方の品番もあるのです。
製品はOW済です。
型紙はおなじみ、Modified BD。長すぎず、短すぎる、中庸な羽襟。高すぎない台襟。WORKERSの好きな「現代のシャツのようにガチガチに固くない。太いネクタイではなくて、細いネクタイを締める」バランスで設定された各部の寸法。
といっても、必ずネクタイをしなくてはいけないわけは当然なく。ネクタイをしない時、この「大きくも小さくもない羽襟」「高すぎない台襟」が 効いてきます。現代のドレスシャツをカジュアルで着ると、何かあの古着のボタンダウンと違うな・・・と感じるのがここだと私は思います。
昔のシャツ→ネクタイが薄い・柔らかい。ノットが細く結べる。だから台襟、特に前中心は低い。ノットの小ささに合わせて、羽襟もそれほど長くない。芯が柔らかい。
それが後に、ネクタイはもっと固く、厚く、くたっとなりにくいように開発が進む。それに合わせてシャツの台襟も高くなる。合わせて羽襟も長めに。
「襟が一日着てもまだガッチリ固いのをビシネスシーンでは求められる」・・・とは、2010年前後、インディビジュアライズドシャツ社長が雑誌のインタビューで答えていました。ガッチリした芯が主流に。
ジーンズが時代を経るごとに、より強度を出すため綿糸での縫製をやめて、強度が出たから隠しリベットも無くなり、生産性を高める為に幅広の生地を使いセルビッジが無くなり・・・というのと同じように、シャツも時代とともに変わってきたのです。ジーンズのように、ぱっと見でわかりづらいから「今も昔もボタンダウンは同じじゃないの?」と思われるかもしれませんが、仕様が変わればやはり着た時の雰囲気は変わります。
簡単そうで大変な羽襟先のボタンホール。ここを、ステッチにかかるぐらいぎりぎりにいきたい。本来、襟先のはためきを止めるものなのだから、なるべく襟先にホールを開けたいのです。でもそうなると、厚みが不安定。襟先は生地が4重。縫い代から先は生地が2重。そこを抑えのセッティング、精密に左右対称にあくよう治具を使って開けるのがポイントです。
おなじみ、誰が呼んだか「コンストラクションヨーク」。ステッチなしのヨーク。すっきり見える、押さえられてないので多少生地が若干動きやすい。だから、多少は着心地にも影響あるのかな?という程度です。
ハンドステッチの袖付けはステッチが動くから着心地が良い!なんて言われますが、正直、ステッチ部分だけで体が動いたときに必要なゆとり・運動量を作るのは至難の業だと思います。現実には、タックやギャザーを利用して型紙に適度なゆとりを入れるのが着心地を大きく左右する部分だと思います。
ポケットはベーシックな樽型。
カフスにも薄い芯が入ります。表から見ると入っていて、裏には入っていないステッチ。これは芯を止める為だけのステッチ。現代の芯は接着があるのでこのステッチは無くても大丈夫ですが、やはり長く着た時に芯がカフスの中で動いてしまうと困る。特にカフスは袖をまくったりすれば、一番ぐしゃぐしゃと曲がる部分。だからやはり、芯止めステッチは入れた方が良いと思います。
素材 6オンス・コットン100%・オックス
附属 耐衝撃ボタン
縫製 綿糸
ワンウォッシュ製品 MADE IN JAPAN
14.5 肩幅44.0cm 身幅52.0cm 着丈73.0cm 袖丈61.0cm
15.5 肩幅45.0cm 身幅55.0cm 着丈75.0cm 袖丈62.0cm
16.5 肩幅46.0cm 身幅59.0cm 着丈76.0cm 袖丈63.0cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。