Workers K&T H MFG Co "Officer Trousers Slim Fit Type 2, Light Beige Chino"
おなじみ、古今様々なチノパンを混ぜて作ったWorkers Officer Trousers。脇巻き縫い・ダブルステッチバージョンType 2をお届けします。
Slim Fit、21FW で数年ぶりにパターン修正。また上が今までよりも1.5 センチ程深くなりました。近年のまた上深めテイストに合わせるとともに、腰部分が本来のウェスト位置に近づくので、より安定したフィット感になりました。
Slim Fit は膝から裾にかけてすっきりと。18 センチ前後の裾幅で、 これ以上細くするとテーパードになってしまうギリギリ「Slim Fit」と言える寸法。ダーツを斜めに取ることで、分量をたくさん取れます。これにより、Slimでありながら、ヒップ周りは適度な丸みを持った穿きやすく綺麗なシルエットを作り出しています。
フロント、斜め切り替えポケットは手を入れやすい角度、大きさに。小股にあえてチノパンらしくないステッチを入れる 仕様。以前は「チノパンといえばこの仕様」にとらわれていてやらなかったのですが、偶然見つけたビンテージで小股に ステッチありを確認。「そうか、ビンテージも色々あるのだな、だったら、とことん機能性や綺麗に縫製出来る仕様を極めてみよう」とこの小股のステッチからWORKERSらしいチノパンは始まったのです。人から見れば「そんなところ?」 という箇所も、企画する側はとても悩みます。
素材は10オンスクラスの高密度チノ。Light Beigeは今まで使った事のない、初めて使う色。いわゆるビンテージのチノパンの白っぽい色に一番近いなと感じる色です。
製品はOW済みです。
おなじみ、ワーカーズの定番チノパン。21FWはType2、脇がダブルステッチの巻き縫いバージョン。
21FWで久しぶりに型紙修正。また上を1.5センチ程深くしました。平置きでも、昨年までのシルエットと比較するとまた上が深いのがわかります。
フロントはボタンフライ。比翼のところどころを見返しに止める、クラシックな仕様。比翼が前端より少し引いた感じになっているのも型紙で指示しています。簡単そうに見えて、縫い工程はちょっと複雑。ビンテージはこの部分、中にあるヒヨク裏・見返しもすべて上端まで生地がありものすごい厚みを無理やりボタンホールあけているのですがWORKERSでは中の生地は落として薄く仕上げています。ホール部分が過度に厚いとボタンの締め心地が悪いからです。
小股のダブルステッチ。チノパンというと良くあるのがここはステッチ無し。でもあえてWorkers Officer Trousersでは入れています。まず第一に強度の問題。やはり押さえステッチが入る方が強度は高い。さらに、ビンテージもここにステッチありも存在します。それを見た時に「単純にチノパンと言えばこの仕様というのにとらわれるのではなく、機能を考え、もっと柔軟に考えるべき」と改めた部分です。
右身頃側には細い両玉縁のコインポケット。機能性はさしてないですが、チノパンならではのディテール。ただ・・・パターンを作るとき、特に小さいサイズになると非常に邪魔です。簡単にポケットも小さくしてしまえば良いではないかと思われるかもしれませんが、そうなるとポケットとして機能しません。機能を残すためにポケットの大きさは変えたくない、でも小さくなる身頃は入れる場所がドンドン狭くなる。今作っている28サイズ=72-3センチウェストがギリギリポケットが入る寸法です。
このパンツで縫うのが一番難しい場所。地味!!!でもこの脇を前高で巻縫いするのが本当に苦労するんです。厚みがある部分を無理やり巻縫いしていくので。ここを後ろ高にしてしまえばもう少し楽に、綺麗に縫えるのですが。でもやっぱり「チノパンと言えば前高だろう!」ということで、こだわってる部分です。
後ろ中心は割り。サイズ調節のお直しに出す時はこの後ろ中心で変えるのが簡単です。
俗に、
「USMCのチノパン」と呼ばれるものを参考に。外に向かって斜めに走る一本のダーツ。
Army Officer Trousersのように二本分散も良いのですが、一本である程度分量を取ろうとすると距離が欲しい。その距離を稼ぐために横方向に倒しています。
ダーツを取ってゆるやかな丸みのあるヒップ。ここがチノパンとジーンズの違うところ。たった一本ですが、ダーツを入れることで丸みを作れる。イメージは、ジーンズで言えば1サイズ大きなヒップ・ウェストのパターン、それのウェストをダーツでつまむという感覚。だから、ヒップが突っ張らない、尻ぐりが食い込みづらい。
人間の体はヒップにしろ、足の側面・前面・内また側、どこもまっすぐではありません。それを、ダーツやパターン線で体に沿いながら、適度なゆとりを入れてシルエットを作るのですが、ジーンズ、特にセルビッジジーンズの場合、脇線がまっすぐ、ダーツは無しという制約があります。それを無理やりはくのがジーンズの良さ。それとは違い、パターンで体に沿ったシルエットを作れるのがチノパンの良さ。
後ろポケット、片玉縁にフラップ流し込み。ヒップの丸みでどうしても玉縁ポケットは少し開いてしまうのでそれを止める役目もあります。
後ろ中心は縫い目をまたぐようにループをカンドメで止めています。サイズ直しするときはきれいに外して再利用するか、そもそもこのループは取ってしまっても良いです。チノパンは最初からループを7本しているので、後ろ中心のループを無くしてもまだ6本。ジーンズが5本なので、機能は十分です。
脇と内股、ダブルステッチの巻き縫い。簡単そうですが、自分で縫うとわかります。まず脇、何重にもなる生地を乗り越えて巻き縫いするので硬い!巻き縫いは基本、やり直しができないので硬い部分はたたいたり、折癖をつけたり慎重に縫います。さらに裾上げ、これも巻き縫い部分は生地が12枚にもなるので硬い事。
もともと、厚物を縫えるようにミシンをセッティングし、人の手もそれに慣れています。
素材 10.5オンス・コットン100%・チノクロス
附属 樹脂ボタン
縫製 主要部綿糸・一部強度の必要な部分地縫いにスパン糸
MADE IN JAPAN
30 ウエスト77.0cm 股上(前28.5cm,後39.8cm) レングス78.0cm ワタリ幅30.0cm スソ幅17.5cm
32 ウエスト82.0cm 股上(前29.0cm,後40.5cm) レングス78.0cm ワタリ幅31.0cm スソ幅18.0cm
34 ウエスト87.0cm 股上(前29.6cm,後41.2cm) レングス78.0cm ワタリ幅32.5cm スソ幅18.5cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。