Workers K&T H MFG Co "Blazer, Dark Navy Wool Serge"
21SS のブレザー・スポーツコートは春物としては初めて総裏。それも全面キュプラ。
今までのWORKERS、総裏のジャケッ トも身頃はあえてブロードクロスのような滑りの良いコットン生地を使っていました。クラシックな良さを目指して。ただ昨年の冬、全面滑りの良いキュプラをはったコートを着てみると・・・やっぱり、着心地が良いのです。専門学校時代、担任の斉藤先生が
「裏地の素材・滑りで同じパターンでも全く着心地が変わる」
と言っていて、ふ〜んと思っていたのを20年経ってやっとわかりました。
もう一つ、春先のWORKERS 展示会で自社の身頃裏無しブレザーを良く着ますが少しだけ寒い。 かといって、冬物のツイードジャケットを3月は着たくない。いわゆる「合い物」が必要だなと感じました。真夏用のトロピカルで裏地最低限でもない、真冬のウール総裏とも違う。夏を除くオールシーズン着られる仕様を目指しました。
表地は5オンス程度のウールサージ。ボタンはアメリカ製のウォーターベリーの足つきメタルボタン。
フロント、三つボタンの上二つ掛け。ラペル巾は広すぎず、細すぎず。20SSと同じように見えますが、羽襟の周り寸法を半身で1.5ミリ程出して、より襟返りのなじみが良くなるよう修正しています。
ウールサージは「リム」と呼ばれるメタルボタンのシルバー。形状は若干Rがかかっています。去年のフラットタイプをアメリカに他の色と一緒に追加注文したら、なぜかわずかにドーム型の物がきました。
身頃総裏。前面にキュプラの裏地がつくので
・着脱ぎがしやすい、体が動いたときも適度に滑って突っ張らない。着ていても楽
・裏地がある分、暖かい
という特徴があります。ただ、その良い特徴が一方で
・裏地があるので、夏は着られない
・材料も、工賃もかかるので高い
ともなります。
私自身、毎年3月に展示会をして東京に行くときジャケット何を持っていくか毎年困っていました。裏無し、袖裏のみのトロピカルだとちょっと薄い。かといって、ツイードやフランネルはもう3月に着たくない。結果「間の時期に着る」いゆわる「合いもの」が必要だなと。そこで今回の裏地付きジャケットを作りました。
左右に玉縁ポケット。ちょうど携帯や薄い財布が入るサイズ。
腰ポケットはパッチ&フラップ。これぞアメトラ!な仕様。
フラップ裏はキュプラ。ポケットの要所には閂止め。ポケット自体も裏地付き。
袖口は開きをつけない筒袖。これなら、袖丈直しに持って行っても簡単に直ります。
工場の腕の見せ所、センターフックベント。
正直、フックさせる意味はない。本当にただの装飾です。一説には、あるメーカー(現在もあり、今はほぼ既成服)のおそらく注文服をメインにしていた時代。縫う人が自分の腕の見せ所でベントにフックを取り入れたともありますが、真実は闇の中です。
でも、ここも「これぞアメリカントラッド」な仕様なので取り入れています。角の額縁始末とともに、綺麗にできています。
私自身、はるか昔にこの仕様を自分で縫ってみたことがありますが・・・当たり前ですが、裁断・印付け・アイロン。縫う以上に、それ以外の工程を精密に・綺麗に行わないと仕上がりが全然きれいに成らなかったのを覚えています。
なので、このジャケットはWORKERSでもこういった、いわゆる「きれい目クロージング」だけ縫ってる工場に縫ってもらっています。
素材
表地:5オンス・ウール100%・サージ
裏地:キュプラ100%
附属 : ウォーターベリー・米国製メタルボタン
縫製 : 総スパン糸
MADE IN JAPAN
38 肩幅45cm 身幅53.0cm 着丈72.0cm 袖丈61.0cm
40 肩幅46cm 身幅57.0cm 着丈73.0cm 袖丈61.0cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。