Workers K&T H MFG Co "M-1948 Mod, Navy"
おかげ様で昨年のBal Collar Coat、大変好評でした。自分でもカーキ色をスーツやジャケットの上に着て何回も出張したのですが、そのカーキ色を鏡で見て感じました。
「これ、ミリタリーコートの色だよな」と。
そこから着想が始まり、あのBal Collar Coat の生地使いを活かしてミリタリーコートのデザインで形にできないかとい う試行錯誤が始まりました。
俗に「フィッシュテール」と呼ばれるコートたち、M-51 Parka やM-65 とありますが、その元祖ともいえるM-1948 Parka を元ネタとして設定。ただ「フィッシュテール」は再現していません。ある意味、一番 わかりやすい「ミリタリーのコート」しいディテールですがミリタリーっぽさが強くなりすぎてしまうので、あえて省きました。
M-1948 Parka の特徴はフロントがオフセット、片側に寄ったパターン。何故こんなおかしな形にしたのか?と思うぐら い、左右非対称。でもそれがまた、一種独特の雰囲気を出しています。もう一つ、片側に二本出るフードのスピンドル。 これも参考にしたオリジナルそのままではなく、スピンドルをループ状に、ストッパーをつけてより実用性を高めています。 表地は撥水性のあるギャバジン。ニャーニャリーでおなじみのあれ。今年もはるか、埼玉の鳩山のさらに奥から取り寄せています。身頃裏地はコットン生地でブルックスブラザーズの古着を参考にオリジナルで作ったもの。袖裏はキュプラで滑り良く。普通のステンカラーは持ってるよ!という方の次の一枚にぜひ。
こちら、裏地のオリジナルのチェック生地を織っている所。元ネタはバーバリーではなく、古いブルックス。こんな雰囲気の良いチェックがあるのです。
M-??とつく、米軍系の俗に「フィールドパーカー」と呼ばれる丈の長いコート系。数あれど、変な仕様のオンパレードがこのM-1948とかM-48と呼ばれるもの。大きく、右身頃側に寄せてつけられたフロントファスナー。それに伴い、左右非対称の身頃、左側だけについたフード絞りのスピンドル。これらをアイデアソースにして、素材はBバリー風のギャバジンに変えて作ったのが、今回のM-48 Mod。
ファスナーを上まで閉じると、フードも左右非対称。
フードの口を絞るスピンドル(紐)。オリジナルは「結べ」と言わんばかりに、ただ二本スピンドルが出ているだけなのですが、はっきり言って機能性が無いに等しい。生地が固すぎて、スピンドル絞っても、まぁフード口が閉まらない。挙句結べって・・・
そこで、アジャスターを使って、使いやすい仕様に変更しています。
ファスナーを開けて。ディテールは左右非対称だ、なんだとありますが、物としてはコートです。
冬の薄手コート、ステンカラー、トレンチがおなじみですが、そこに一石を投じた・・・・つもりです。ミリタリーのコート、素材がやっぱりチープでくしゃくしゃだったり、逆にがっしりしすぎて重過ぎたり。袖が太すぎたり。そういうあたりは、昨年作ったステンカラーの素材・パターンを参考にしつつ、デザイン・ディテールをミリタリー寄りにしています。
ファスナーはYKK、オールドアメリカン。参考にしたオリジナルにもついていた大型ファスナーを模したもの。
素材
表地:コットン100%・撥水ギャバジン
裏地:コットン100%・オリジナルチェック
袖裏:キュプラ100%
附属 YKKオールドアメリカンジッパー
縫製 スパン糸
MADE IN JAPAN
S 肩幅50cm 身幅55.0cm 着丈94.0cm 袖丈61.0cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。