Workers K&T H MFG Co "MFG Shirt Blue Chambray, Size 15.5"
PANT Workers K&T H MFG Co "Lot 819, Pique Pants, White, Size 32"
PANT BUZZ RICKSON’S "SHOES, BASKETBALL, LOW-CUT MODEL, VENTILE FABRIC, OLIVE"
GLASSES 60-70s CRISS OPTICAL MFG "PRISONER FRAME, BROWN"
CAP TCB jeans "TCB40's CAP, BROWN DENIM"
Workers K&T H MFG Co "MFG Shirt Blue Chambray"
MILTON F GOODMAN SHIRTSの広告を基に作ったワークシャツ。BIGYANK ブランドを作っていたReliance Manufacturing Company、その創業者の名が「Milton F Goodman」です。
もう10 年近く前、ホームページWORKERS をはじめたばかりの私に、Milton F Goodman のひ孫さんからメールが来ました。「なぜうちの先祖の事を調べているの?」 と不思議そうに。当時、ワークシャツの歴史を調べる中で、Relianec MFG Co の20世紀初頭としては革新的なワークシャ ツに私自身魅了されていました。
トリプルステッチの巻き縫い、本菊穴を使ったベンチレーションホール、特許までとっているシガレットポケットなど等。その後、それらを再現するため、専用のミシンを縫製工場さんと一緒に手配したり、 私にとって思い出深いワークシャツです。
デザインは、フロント・バックに補強布をトリプルステッチで縫いつけ、空気穴が多数開けられています。補強、空気穴 といった機能性がワークシャツらしいデザインに昇華している好例。 素材はすべて耳付き、狭幅のシャンブレーにこだわりました。せっかくクラシックな形なので素材もクラシックに。
ブルーは定番の5 オンスクラス。色糸はインディゴ、ロープ染色なので洗うと徐々に色が落ちて風合いが変わります。
WORKERSの定番、「1920年代頃、ワークウェアのデザイン・仕様が頂点に達した時代」をモデルにしたワークシャツ。
襟は長すぎず、でも現代の小さい襟とは違うもの。台襟の先はストラップになっている「チンストラップ」。首をしっかり止める為と言われますが、デザインでもあり、またボタンが一つ取れてももう一つ残る冗長性確保。さらに、首が太い人はサイズ調節にもなります。
今回のMFG Shirtの為に新しく作ったネーム。MFGは「
Milton F Goodman」の頭文字。おなじみ、Reliance社の創業者。
その
創業者の名を冠したシャツがありました。オリジナルは
・通気孔あり
・トリプルステッチ
・補強あり
・ジャンボサイズ
とラベルにありますが、WORKERSでは「コレクトサイズ」、現代の「正しい」と感じるサイズ感を目指しているからです。
WORKERSのトレードマークは商標登録済なので、TRADEMARK REGISTERED。それは日本の特許庁で、2014/1/17に登録されています。
ボタンは高瀬貝の二つ孔、いわゆる「キャッツアイ」とか「ネコ目」と呼ばれる彫りが入ったもの。古いワークシャツはメタルより貝ボタンのイメージがあるので、貝を選びました。
ベンチレーションホールはおなじみ「本菊穴」。詳しくは
こちらをご覧ください。今では当たり前にしている仕様ですが、できるまで紆余曲折ありました。アメリカ西海岸から届いたミシンの中身が全然なかった時には頭抱えたのが昨日のようです。
このシャツが「ワークウェアが究極まで進化した時代」と感じるのがこういった部分。袖口の開きまで多本針環縫い+ラッパ(金具)で始末しています。これは、服を何とか形にするというレベルから、いかに大量に作るか、それも機械式のミシンの生産効率&状態を極限まで高めつつが感じられる部分なのです。
常識的に考えると、針が増えれば増えるほど調整はそれぞれ必要です。バイクに乗る方ならわかると思います。2018年現在、四気筒250CCがほぼ絶滅していますね。機能以上に、メンテナンス性、その機械自体を作るコストを考えると、気筒数を減らしたわけです。ミシンや仕様も同じで、ダブルステッチよりはトリプルステッチ、二本針環縫いよりは四本針のほうが、確かに若干機能性が高いが、それ以上にミシンのセッティング、設備と手間がかかります。その手間を受け入れられるぐらい、作る量があり、また、他社との競争も激しかった。 一口に「究極まで進化」と言っても、それは単純に物がどうこうだけではなく、当時の状況がそこまで、製品、メーカーを追い込んで行ったとも考えられます。
脇はマチ使い。オリジナルにはまずないのですが、環縫いほつれ止めのカンヌキは追加しています。
上前・下前ともに環縫い多本針ミシン。このミシンは素晴らしく、現代でも昔とほぼ同じ(さらに、下ルーパーの部分は糸が通しやすいよう改良されている)物が作られています。
数年前、新品を購入して目数が細かくなるように改造した一台、これを工場に提供して作っている部分です。ここが細かなステッチ、かつ3/16インチの針幅が私はどうしても好きなのです。その仕様を、きれいにやろうとするとどうしてもミシンを「追い込む」ようにセッティングせざるを得ない。
何番の糸、何針で縫うというのを繰り返さないときれいにならないのです。ある日は太い糸、ある日は細い糸では、セッティングが追い付かない。追い付いた頃には縫い終わってしまう。以前、縫っていた工場ではどうしても、その日その日でミシンセッティングが大きく違う。
その状況が許せなくて、新品で専用のミシンを購入しました。
当時は「年間2-300枚縫うのに、50万するミシンを買って、何年たっても元が取れないだろう」と回りからは言われました。もちろん、採算は考えないといけないのですが、それでもどうしても、ここはこう縫いたいという気持ちが勝って導入しました。おかげで、夜寝るときに「あの部分がダメなんだよな・・・」と悩まず良く寝られます。
服作ってると、良くできた部分以上に「ここがもう少しこうすればよかった」「こうならないかな」と、本当に寝るときに頭に浮かぶのです。ある意味、好きなものを仕事にしてしまった強迫観念ですが、それがうまくできるようになった時の喜びは、時に採算という考え方とは別次元にあります。
背面の大きく湾曲したヨーク。補強としての意味、そしてデザインでもあったもの。
このシャツのパターン、脇の下が生地の革なりが多くなります。特に矢印部分、身頃・二つに折った当て布、つまり3枚。それを互いに折って縫う。もし、縫い目を突き合わせてしまうと、3枚×2が前・後ろ、計12枚を乗り越えることになります。それは避けたいので、縫い目をずらしています。
脇の下もずらしても良いのですが、
ただここまで書いてきて・・・わきの下もずらした方が良いので、量産では脇下もずらします。厚みがありすぎると固くなり、縫いづらい、着心地も悪くなる。この辺りは、昔であれば縫い場が適当に変えてしまう部分でもあったのですが、現代の工場さんはみな几帳面です。どこまでもパターンに忠実に縫おうとしてくれます。そこで、こちらはパターンでそこを修正し、かつ、「ここはこう変えてますよ」と書いておかないと、先方が混乱する部分です。
ワンウォッシュ製品, MADE IN JAPAN
附属 高瀬貝ボタン
素材 5.5オンス・コットン100%・シャンブレー
縫製 綿糸
サイズ
14.5 肩幅43.5cm 身幅50.0cm 着丈73.0cm 袖丈62.0cm
15.5 肩幅44.0cm 身幅53.0cm 着丈74.0cm 袖丈62.0cm
16.5 肩幅45.5cm 身幅57.0cm 着丈75.0cm 袖丈63.0cm
サイズ表
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。